その辛い症状は噛み合わせが原因かも
奥歯を噛みしめる癖がある、歯ぎしりで歯がすり減っている、顎が痛い、顎が開きにくい、首や肩がこる、などの症状を改善、予防するための治療をおこなっています。
2024日本有病者歯科医療学会での発表が表彰されました。
A型ボツリヌス毒素を用いた睡眠時ブラキシズム治療の一例
こんなことありませんか?
もしかすると、歯ぎしりが原因かも?!
- むし歯じゃないのに歯が痛い
- 歯が欠けてしまった
- 朝起きた時にあごが疲れている
歯ぎしりに関するデータ(SUNSTAR)
調査対象10,000人中、歯ぎしり率は31.6%
(自覚している人は12.5%)
歯ぎしりがある人の約7割が歯ぎしりや食いしばりによる不快感・不具合を感じています。
- 歯がすり減る・欠ける
- 歯が痛む・歯がしみる
- 肩や首が痛む・こる
- 頭痛 etc...
特に女性は男性より「方や首が痛む・こる、頭痛」の割合が高い
サンスター社2022年実施「一般生活者を対象とした歯ぎしり・くいしばり実態調査」より引用
歯ぎしり・食いしばり・咬耗・噛みしめについて
睡眠中の歯ぎしりは、上下の歯をギリギリと横にすり合わせるグラインディングと、あまり音を立てず強く噛みしめるクレンチング、その両方が混在したタイプがあります。
いずれも珍しいものではなく、人口の5~15%が睡眠中に歯ぎしりをすると言われるほど。それどころか、だれでも寝ている間、多少は歯を合わせています。
グライディングとクレンチングともに歯にかかる負担は70~100キロ程度と考えられています。しかし左右の動きにより歯が削れてしまうため、グラインディングの方が歯の摩耗がおこりやすいです。
原因
- ストレス
- かみ合わせの不良
- 飲酒・喫煙
- 癖
- 睡眠時無呼吸症候群
などが言われています。
歯ぎしりの健康リスク
歯の摩耗・欠損
歯ぎしりを就寝中に行うと、起きている時に行うよりも掛かる力が強くなります。歯ぎしりで受ける歯への圧力は100kgを超えることがあります。歯ぎしりを毎日のように行うと歯が欠けたり、擦り減ったりしてしまいます。若いうちから歯ぎしりが習慣化してしまうと、年をとってから健康な歯が残りにくくなってしまいます。
詰め物の欠損
強い力で欠けてしまうのは歯だけではありません。せっかく治療した歯の詰め物も掻けてしまうことがあります。
顎関節症
歯ぎしりで強い力が掛かるのは歯だけではありません。顎にも強い力がかかり、顎関節がズレたり変化が生じたりすることがあります。そうなると顎関節症になってしまいます。顎関節症は顎の痛みや口を開けづらくなること、顎を動かすと音が鳴ることなどが主な兆候です。硬い食べ物や大きな食べ物が食べづらくなることがあります。
歯周病
歯ぎしりをしていくうちに、歯そのものが弱っていきます。歯が弱ることで、歯の生え際に隙間が生じて歯周病菌が増殖しやすくなります(咬合性外傷)。強い歯ぎしりをする人は歯ぎしりをしない人に比べて歯周病の進行スピードが速くなると言われています。歯周病は歯を失うリスクが高くなるほか、循環器系疾患のリスクも高まります。歯周病菌自体が血管に障害を与えるほか、歯周病による炎症で作られた炎症性サイトカインが心臓血管の異常を引き起こすからです。
寝起きの肩や首の痛み
歯ぎしりを行うと寝ている間の首や肩に強い力が掛かります。睡眠時でも首や肩周辺の筋肉が緊張し、こわばり、疲労物質や睡眠時の痛みの原因物質の蓄積に繋がります。夜にしっかり寝ているのに、朝起きたら肩や首に痛みが出ているならば歯ぎしりをしているのかもしれません。
睡眠時の歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)について
睡眠時の歯ぎしり・食いしばり・咬耗・噛みしめの検査
睡眠時の歯ぎしりによる口腔内組織への影響は、様々な歯科疾患のリスクファクターとされています。
口腔内装置の適用判断だけでなく、補綴装置、上部構造の材料選択、インプラントの適用可否あるいは歯周病の悪化の要因などを判断する材料として睡眠時ブラキシズムの存在を把握することは、患者様の良好な予後を得るために重要です。
当院では、令和2年4月保険適用になったウェアラブル筋電計を導入しました。これにより、睡眠時の歯ぎしりの状態を検査・解析することが可能となりました。
ウェアラブル筋電計は軽量・小型に設計されているので、これまで困難とされていた患者様自身による自宅での筋電図測定が手軽に行えます。
「歯ぎしり音、起床時の顎の痛みなどの問診や口腔内所見」に委ねられていた睡眠時の歯ぎしりの評価を専用ソフトウェアW-EMGViewerでの筋電図解析により客観的かつ定量的に評価することが可能となりました。
バトラーグラインドケア
(ブラキシズム・マネジメントデバイス)
歯ぎしり・食いしばり・咬耗・噛みしめ治療
マウスピースによる治療
睡眠時に樹脂製のマウスピースをかぶせるスプリント療法を行います。
歯や顎にかかる圧力が低減し、歯の摩耗やインプラント、詰め物の欠損を防ぎ、歯周病悪化や顎関節症の予防にもつながります。
マウスピースを就寝時に装着することで、歯・顎・首・肩などにかかる負担を減らすことができます。
ボトックスによる治療(保険適応外)
食物を咀嚼するときに使われる筋肉を咬筋と言い、噛みしめ癖や食いしばりなどの原因で咬筋が必要以上に発達する状態を咬筋肥大と言います。
この状態が長く続くと、顎の痛み、血行不良、ストレス、頭痛、肩こり、エラ張り、むくみなどの原因になる可能性があります。
ボトックス治療は肥大した咬筋にボツリヌストキシン注射をすることにより、咬筋の緊張を緩和しそれらの症状を改善させる治療法です。
夜間の歯ぎしりや食いしばりに対しては、マウスピースを装着し力の分散をする方法がありますが、ボトックスは咬合力そのものを低下させ、夜間だけでなく、日中の無意識下での食いしばりにも効果が期待できます。
「ボトックス治療」に関するよくあるご質問詳しくは、当院スタッフまでお尋ねください。
ボツリヌス製剤による咬合力適正化のエビデンス
上・下の歯でかみ合わせた時に発生する力を咬合力と呼びます。
咬合力が高すぎる場合には食いしばりや歯ぎしりが起こりやすく、歯や歯ぐきなどへの過度な負担があることがほとんどです。
ボツリヌス製剤は、一時的に筋肉をゆるませ、咬合力を減少させます。時間の経過とともに上昇するため、医師の判断に従い、投薬を行う必要があります。
ボトックス治療の安全性
日本では1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸への向上が厚生労働省の承認を受けている治療です。
美容業界では、しわ取りの治療、小顔治療として一般的に使用されている治療方法です。美容目的では70カ国以上で使用されています。